終活は高齢者が取り組む活動と考える人も多いですが、判断能力が十分にある元気なうちに取り組むことで、終活の目的を達成し、理想の老後を実現することが可能です。本記事では、終活の概要や目的、メリットに加え、具体的な取り組み方法についても詳しく解説します。終活に関心のある方はぜひ参考にしてください。
終活の概要と行う目的
最近では終活という言葉をよく耳にしますが、そもそも終活とは何か、どのようなことから取り組むべきか分からないという人は多いでしょう。ここでは、終活の概要とその目的について詳しく解説します。終活の概要
終活は自身の人生の最期に向けた準備の総称です。一般的には生前の整理や葬儀についての取り決め、遺言作成などのイメージをもたれがちですが、遺族に負担をかけないよう準備するのみでなく、自分の残りの人生をより自分らしく楽しく生きるための活動でもあります。また、従来までは終活に取り組むのは高齢者が中心であったものの、近年では20代や30代の若年層が終活に取り組んでいるケースも増えています。
終活を行う目的
終活の目的は、人生の最期に後悔が残らないよう準備して残りの人生をより自分らしく過ごすことと、家族や身内の負担を軽減することです。終活をめぐるライフステージは4段階に分けられており、自身での預金管理や日常生活が容易にできる健康な状態をステージ1として、判断力が衰退した状態がステージ2、判断力を喪失した状態がステージ3、死後に相続が発生した状態がステージ4とされています。
高齢によりステージ2や3の状態になれば満足な終活を行うのが難しく、結果として遺族に負担がかかる状態になりやすいです。健康な日常生活を送っているときに終活を意識することは少ないものの、自分の意志で冷静な判断ができるうちに終活に取り組むことで、しっかりと目的を果たせるでしょう。
終活を行うメリット
終活を行うメリットはそれぞれが置かれている状況・環境によっても異なりますが、自分にとっても家族にとっても多くのメリットを得られるケースが多いです。ここでは、終活に取り組むことの具体的なメリットについて詳しく解説します。自分の最期について前向きな気持ちで向き合える
終活は自分の最期だけでなく、これからの人生について整理するきっかけにもなります。これまでの人生と現状、今後の人生についてじっくりと考えることで、前向きな気持ちで未来を見据えることが可能です。老後についての不安を減らせる
終活を通して今後の人生プランが明確になれば、老後の理想の過ごし方や資産状況なども検討できます。老後についてより現実的に考えられることで、漠然とした不安を解消できるのがうれしいポイントです。家族や身内に負担をかけずに済む
身内に不幸が起こると、遺族は死後の手続きや相続の問題などで精神的にも体力的にも負担が大きい日々を過ごすことになります。とくに故人の遺志が明確でない場合には、葬儀内容やお墓の手配などにも頭を悩ませることになるでしょう。終活により自分の意志を明確にしてノートに記しておけば、自分の死後に家族が悩む場面を減らすことが可能です。中でも相続関連の揉め事は金額の大小にかかわらず起こりやすいトラブルのひとつであるため、財産をどのように分けるのかをあらかじめ相続人に相談しながら決めておくと安心となります。
終活でやるべきことリスト
終活の方法に決まりはないため、それぞれが置かれている環境に応じた必要な取り組みを採用すれば、自分に合った終活をすることが可能です。ここでは、終活でやるべきことの例を5つ紹介します。今後の人生でやりたいことを考える
結婚して子どもが生まれると日々の生活が子ども中心になるため、自分の人生についてしっかりと考える時間は少なくなるでしょう。残りの人生の中で挑戦したいこと・実現したい夢・目標などを洗い出してリスト化することで、残りの人生を充実させることができるでしょう。財産の一覧表づくり
預貯金や株式、保険、土地、建物などの財産を表にしてまとめておくと、判断能力の低下によって財産管理が難しくなったときやどの財産をだれに相続させるか考えるときなどに役立ちます。冷静な判断で納得できる財産管理・相続を実現するためには、判断能力がしっかりしているうちに取り組むことが重要です。また、自身の財産状況が明白になったら、老後資金の確保についてもあわせて考えておきましょう。